東京税財政研究センター
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東京税財政研究センター事務局

〒169-0074
東京都新宿区北新宿1-8-16
けんせつプラザ東京802号室
TEL:03-3360-3871(代表)
FAX:03-3360-3870

 

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◆◆ トピックス ◆◆
■ 理事長より新年のご挨拶NEW
■ 第71回公開講座の開催報告NEW
■会報138号発刊NEW
■理想の税理士制度 大矢 良典 会員
■「この2年を振り返って」 高橋 真 会員
■ 開示情報一覧の掲載

 
 

 更新情報
トップページ・会報ページを更新しました。   2026.2.1

 

理事長より新年のご挨拶



新年あけましておめでとうございます。
新年早々の、米国の直接的軍事力行使によるベネズエラ大統領拘束という、19世紀的侵略行為に腹立たしい思いです。
波乱の年明けに、不確実性が高まり、世界がカオスの状態におかれつつある状況下ですが、私どもはしっかり地に足をつけて、進んでまいりたいと思います。

税制の歪みを正す
東京税財政研究センターは、税制と税務行政の民主化、納税者の権利擁護を掲げて研究活動してきました。高市政権の「責任ある積極財政」の下で明石海峡大橋 は、大企業と資産家・高額所得者優遇の歪んだ税制は改められることはなさそうです。 政府の「令和8年度税制改正の大綱」は、両院での自民党過半数割れの状況下での、野党の一部取り込み、政策丸呑みによる妥協的打算的内容になっていますが、税制の基本問題は解決なしの内容です。 その政権下で、税務行政はどこに行こうとしているのか。これを明らかにする作業が、当センターに求められていると考えています。会員の皆さんのお力に期待する次第です。

税務行政の現在
現在の我が国の税務行政を特徴づけるために、今起きていることを確認してみたいと思います。 財務省と国税庁は一体で、納税者の権利を制限(課税庁を有利に)する法改正を進めています。加算税のしくみを複雑にし、 ペナルティを強化しています。税理士法改正で税理士以外の納税者を罰する道(納税相談禁止命令制度)を開きました。さらには、行政制裁以外の方法まで動員して納税者管理強化を図ろうとしています。
また、今年9月には、KSK2が稼働し、デジタル庁提供のGSS(ガバメントソリューションサービス)上ですべての納税者がオンライン税務調査の対象とされます。「税務DX」を掲げる国税庁は、「納税者の利便性の向上」「課税・徴収事務の効率化・高度化」にとどまらず、「税理士業務のデジタル化」「事業者のデジタル化」をも図ろうとしています。その核となるのが、デジタルインボイス(Peppol)であることに留意したいと思います。デジタルシームレス(取引から会計・税務までのデジタル化)が想定されています。
そして、税務調査については、「無予告現況調査」「質問応答記録書」「広域運営」「組織的調査」や、「預貯金照会システム」による反面調査の日常化等々が顕著になり、税務署長の権限を弱体化させ権力を集中して、納税者に対する徴税機関の優位性を高める方向を示唆していて、権力的で乱暴な税務調査展開が危惧されています。
これらの結果として、これまで保持されてきた納税者サービスがことごとく後退の局面に立たされています。申告書等の税務書類の提出は、窓口での手渡しではなく「投函箱」への投入を求め、収受印押捺は廃止、税制度に関するパンフ・リーフ類の窓口配付はQRコード掲示に代わり、確定申告期においては申告書用紙等を求めても一人1部に制限とするといわれています。税務署等の作成会場での確定申告書作成は、原則スマホ入力・申告となり、自宅等からのe-Tax・eLTAX送信と税理士代理送信を推奨しています。小規模事業者やサラリーマン還付申告者等への相談サービス業務の後退(切り捨て)が顕著になっています。税理士の下請化も危惧されています。

対等性の獲得へ
現局面では、税務DXは、デジタル化の強制を伴う、納税者サービスカットの進行に特徴づけられます。納税者と税務当局との「対等性」が求められているのに対し、実際には、税務当局の圧倒的優位性の確立が目標とされているように見えます。
このような行政スタイルは、「ハードアプローチ」と呼ばれる手法で、国際的にみても圧倒的少数派に属します。これに対しては、納税者支援の仕組みをベースにする「ソフトアプローチ」の税務行政こそが重要ということになります。納税者を主体とする考え方を徹底させること、カスタマーサービスの徹底で、これまでの日本の税務行政を納税者サイドからのみならず、行政内部からも、その「文化を変える」壮大な取り組みによって、まさに税務行政の民主化、税務行政への国民参加が可能となります。そのためには、行政組織のあり方までをも検討課題としなければならないでしょう。
あわせて、OECDが「税務行政3.0」を提唱しており、税務行政のデジタル化のビジョンを示している点にも留意しておきたいと思います。

納税者運動の黎明期を
このように日本の税務行政を概観すると、我々が取り組むべき課題はかなり大きなものとなります。納税者の主体的運動の勃興が期待されます。当センターは、そのことに寄与していきたい、これを年初にあたっての抱負と致します。 会員のみなさんの活躍を祈念して、新年のご挨拶といたします。

岡田俊明理事長

 

第71回公開講座 開催報告

「東京局が調査事務で指示していること」は何?
「KSK2」導入迫り、 急激に進められる合理化

第71回「公開講座」は11月25日(火)水道橋「全水道会館」に65名の参加で行われました。 国税庁、国税局の機構改革、急激な電子化の推進など課税庁が大きく変化しています。その現状は憲法に定める「自主納税制度」の主体となる納税者を差し置いて進められています。 KSK2導入が迫る中、課税庁の事務運営がどう変化しているのか、行くのか分析してみました。 当局の開示資料を解説付きで提供。報告には3人の講師が当たりました。国税当局が「納税者に対してやろうとしていることは何か」について

個人課税部門
最初は個人課税について千田範道会員(写真右)。
現在の調査実績は「所得」より「税額」重視が求められ、実務でも「重加算税賦課」など強権的な調査が重視されてきている。無申告調査を強調 している。税理士に対しても厳しい対応を示し、 税理士を委縮させ「課税庁の下請け化」を進めるのではないかの懸念がある。また、急激なテンポで進められる種々の内部事務のセンター化は納税者に混乱をもたらし、税務行政に対する責任者(一般は納税地の所轄税務署長)の不明確化などが問題になっている、などを報告。

資産課税部門
次に資産課税について青木武夫会員(写真右)が報告。
調査事務では個人課 税同様に「追徴税額の 最大化」と露骨な実績 主義を掲げ、国際化、 富裕層、無申告事案への重点的取り組みに ついて前年同様に強調しています。 ここでも各税と共通して、帳簿データーの取得を調査開始前に行い検討するよう指示し、 「検査忌避等事案調査票」の速やかな提出を指示しています。

法人課税部門
最後は法人課税について当センター事務局長でもある矢代 司会員(写真右)が報告。
法人課税部門は事務運営「3つの柱」を掲げ1番に「調査の重点化」−必要度の高い法人、2番に「データ活用」−帳簿データの取得、モバイルPCの活用、3番に「人材育成」−若手 職員にチャレンジ精神、 主体性、チームワー クを醸成。 としています。ここでも 「臨場前後に限らず帳 簿等データの取得」を 指示しており、納税者の強引な了承取り付けも予想され極めて問題です。
報告の後、質疑討論が行われ3時間半にわたる「公開講座」の幕を閉じました。

今後の予定

 

理想の税理士制度

税務相談停止命令制度と無償独占の在り方を考える

本報告は、2025年9月に開催された税経新人会第60回全国研究集会において発表された「理想の税理士制度」から、筆者が担当した税務相談停止命令制度と税理士業務の無償独占のあり方について検討した部分を中心に報告させていただいたものとなります。以下その概要を報告させていただきます。

1.税務相談停止命令制度の創設と問題点
2023年の税制改正により、税理士法第54条の2として「税務相談停止命令制度」が新設されました。この制度は、税理士資格を持たない者が税務相談を行い、それが不正な課税逃れや還付につながる恐れがある場合、財務大臣が相談の停止を命じることができるというものです。また、国税庁長官には調査権限が与えられ、帳簿書類の検査なども可能となりました。 この制度は、財務大臣や国税庁長官の広範な裁量に基づくものであり、過去の民商弾圧のように自主申告運動や結社の自由を侵害する危険性を排除できないものとなっています。制度の立法趣旨は「偽税理士の排除」とされているが、対象範囲が広く、恣意的な運用の余地がある点が問題であると考えます。

2.税理士法の二面性と無償独占の背景
税理士法は、税理士の権利・義務を定める側面と、税理士という職域を守るための取締法としての側面を併せ持っています。税務相談停止命令制度は、取締法という側面にさらに偽税理士行為の疑いがある者を取り締まることを可能としており、他の士業には見られない税理士法固有の制度となっています。 この背景には、税理士業務が「無償独占」であるという特異性があると考えます。税理士法第52条では、税理士以外の者が税理士業務を行うことを禁じており、国税庁通達によりその業務は有償・無償を問わず 独占業務であるとされています。これは、税理士を行政の支援者として位置づけ、行政の監督下に置くための仕組みでもあると考えられます。

3.無償独占の限界と再考
無償独占そのものが制度として限界であることが明らかです。無償独占を維持すべきか、有償独占に移行すべきかについては議論が分かれています。 弁護士法では、報酬を得る目的で法律事務を行うことが禁止されているが、立法当初、「簡易な法律実務を低廉な費用で取り扱う善良な非弁護士の存在は、かえって社会の利益になる」との考えに基づいていたようです。無償での支援は社会の利益となる。税理士法も同様に、無償の税務支援が国民の利益につながると考えるべきであり、無償独占の見直しが必要であると考えます。

4.税務相談停止命令制度と無償独占の相関関係
税理士法が「誰のための法律」であるかを問い直すことで、理想の税理士制度の姿が見えてくるのではないでしょうか。 申告納税制度は、憲法第13条の自己決定権に基づく国民の権利であり、その維持には多様な税務援助が不可欠となります。しかし、その期待に応えるためには無償独占を堅持し続ける税理士だけでは不可能です。こうした点からも無償独占は国民の利益とは相反する。無償独占があるが故に、税務相談停止命令制度の必要性を課税庁へ与えることとなり、課税庁が税理士を管理監督するうえで無償独占が必要な道具となり税理士への「手かせ・足かせ」として機能している。 私見としては「無償独占」は国民(納税者)の利益に反することから不要であると考えます。有償独占とすることでボランティアによる税務援助が可能となり、憲法第21条が保障する結社の自由に基づく団体における「助け合い・教え合い」といった共助活動を弾圧するような根拠を与えることもなくなります。多くの納税者が申告納税制度下における自らの税額を確定させる権利(憲法第13条自己決定権)を行使することができることとなり、国民(納税者)の利益へと繋がります。無償であればボランティアでの税務援助が可能となることから、必 税理士登録者数(約8万人)に対し、申告件数は数千万件にのぼります。仮にすべての申告を税理士 が担うこととなれば単純計算で一人当たり340件程度となります。これは現実的に不可能であり、然的に第54条の2(税務相談停止命令制度)とその関連条項は必要性を失うこととなります。

結語
税理士の必要性についてはシャウプ勧告によれ ば「納税者の代理を立派に勤め」、「税務官吏をして 法律に従って行動することを助ける」ものとしてとらえ、適正な税務行政を行うために「納税者が税務官吏に対抗するのに税務官吏と同じ程度の精通度をもってしようとすれば、かかる専門家の一団の援助を得ることが必要である」と指摘しています。 より民主的な税務行政を確保するうえではシャウプ勧告に指摘される「納税者が税務官吏に対抗することを援助する専門家としての税理士」を担保するための税理士制度が必要であるとともに、納税者自身に納税者の権利が存在することを明示する納税者権利憲章の制定(明文化)が必要であると考えます。 「課税庁のための税理士法」「税理士のための税理士法」から「納税者のための税理士法」へと昇華させることこそが理想の税理士制度の構築へとつながるのではないでしょうか。

 

「この2年を振り返って」 高橋 真 会員

理事会でこの原稿の指名があり、なんと2000字という膨大な論文を書いた事がなかったので、さて、どの様なテイストにしようか悩みましたが、この7月で税務署を退職してから丸2年が経ち、税理士として働き始めてからも、もうすぐ2年という時点になり、この間の雑感と出来事を記すことにしました。

〜甘く見ていた税理士稼業〜

まず、実際に税理士事務所に入って働く前には、多少の時間の余裕があるのではと甘い考えを持っておりました。税務署を離れる際の部門職員への挨拶時に、「税理士の仕事にも慣れてきたら色々な経験をしてみたいので、芸能事務所にも登録してエキストラの仕事もやってみたい。」などと言い放っていましたが、全然その様な余裕は現在ありません。
わが「神奈川税経センター」、思っていた以上に結構な顧問先数があるので、事務員だけでなく税理士自らも記帳入力処理を行いつつ、顧問先廻りなどを行っていると、あっという間に1週間が過ぎてしまいます。また、顧問先から多種多様な質問や相談があり、携わってきた法人税だけの知識では対応できないので、税法全般はもちろん社会保険の事や節税対策など幅広く知識を深めていかないと、顧問先の要求に対応できない事をじわじわと実感しています。
加えて、法人と個人の顧問先を持っている事で忙しい時期の山が複数あり、土日も出勤しないと仕事が終わらなかったりして、率直に言うと、税務署時代よりも働く時間が長くなるとは思ってもいませんでした。ただ、顧問先からの信頼を感じられ、感謝されている事が分かるので、やりがいのある仕事に間違いがありません。

〜調査って"こんなんだった!?〜

さて、余裕がないのは日々の業務の加え、税務調査への対応の多さがあります。まだ2年弱ですが、所得税等の調査が6件、法人税等の調査が7件も対応しています。その内、所得税の調査のほとんどが飛び込みです。建設組合や民商などからの紹介となり、日々の記帳に携わっていないので、1から申告資料を確認するなどの手間が必要です。
これらの調査立ち合いをしていて感じたのは、経験の浅い職員が増えている税務署側の事情もありますが、@"調査"と呼べない"調査"が行われていること。申告資料の分析も行わずに表面的な検討だけで終わっています。特に所得税等の調査では、売上は預金通帳の集計だけの申告額との対比で、経費は同業種比率でザックリと決めるなど。A臨場日後からの資料提供の要請が多いこと。臨場した時にしっかりした資料収集が出来ていない。この点は自分もそうだったかなと思い返しています。B調査官とのネゴシエーションが出来ないこと。税法や通達の取扱いの枠からハミ出ないので、良くも悪くも融通が利きません。C以前は「指導」で留めていた少額の増差・税額でも修正を求めるようになっていること。など、自分が税務職場にいた時と比較しても、総じて調査力の低下が際立っています。その調査能力の低下の現状を補うのが、AIを活用した事案選定や資料の分析になってくるのかなと思います。 現職の終盤の頃には、統括官会議などの場で盛んに「調査手法の伝承」が大きな課題として管理者への意識付けがされていましたが、今まさに「調査手法の伝承」面で、国税当局は焦りと苦悩を抱えているのではないでしょうか。 最後に、業務処理センターの問題もありますが、そこは会員の皆さんがセンター職員に対応した時に感じた事もなども集約して、潜在する問題を明らかにしていけたらと思っています。

記:高橋 真

 

開示情報一覧表作成。活用に期待


東京税財政研究センターの開示請求により開示された課税当局情報(CD−R)を整理し、平成24年から現在までの分を一覧表にまとめました。

開示情報一覧表(PDFにてご覧いただけます)

※2020/1/16 開示情報を追加しました。


希望をされる方にはCD-Rコピーを下記の方法で提供いたします。是非活用ください。

1、資料代
(1) センター会員      無料
(2) 会員以外        1,500円(CD-R 1枚につき)

2.送料、CDR代
(1) センター会員      200円
(2) 会員以外        実費

なお、お申し込みは、 情報番号を指定し、下記までお問合せください。
東京税財政研究センター  TEL 03−3360−3871
                  FAX 03−3360−3870

 
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