ごあいさつ
定期総会で理事長に選出されました岡田です。永沢前理事長のあとを継いでの登板となります が、よろしくお願いいたします。
東京税財政研究センターは、名の通り、税と財政に関する研究活動を推進することを目的とし ています。税も、税制だけではなく税務行政もその研究対象としており、そのことがまた当セン ターを特徴づけていると言えるでしょう。
強権的税務行政、税務署の横暴を許さないというだけで足りず、税務行政はいかにあるべきか の探求は、そのまま国民的課題に直結するもので、一言でいえば税務行政の民主化の課題内容を 明らかにするという作業になります。さらに言えば、税務行政の民主化は、行政の国民的コント ロールの実現、行政への国民参加の道を探る、明らかにするということまでを展望するというこ とになります。
ひきつづき、税務行政の実情とその問題点を明らかにしていきますが、民主化の課題の解明には 会員の皆さんのお力が必要です。センター内の各研究会への積極的なご参加をお願いいたします。
安倍首相は、臨時閣議まで開いて来年10月の消費税増税を宣言しました。それでも、実際に増税 に踏み切れるかは未だ不透明です。実務面では、複数(軽減)税率、インボイス、経過措置が抱え る問題があり、免税事業者の取引排除問題も深刻です。そして、人々の消費生活への悪影響が懸念 されますので、よほど慎重な対応が求められるのは当然です。国の財政から考えると、このまま消 費税を最大税収をあげる基幹税としてしまってよいのか、税制のあり方の問題としても再度問う必 要があります。消費税は滞納税額最大の税目です。税務行政からみても問題を抱えていることにな ります。つまりは、赤字でも負担させられる企業税の性格をもつわけであり、国民生活、中小零細 企業の経営を守るという点でも放置できない税制であることをみておきたいと思います。
最近は、地方税の滞納処分が度を越えて全国的に実施されており、この違法・不当ともいうべき 由々しき事態を軽視するわけにはいきません。納税者の権利を守る仕組みを税制の中に組み込むこ とは重要課題です。
その意味も込めて、納税者権利憲章の制定、納税者権利保護立法の実現は、我が国の国民的課題 です。当センターの活動の中心的な課題として取り上げていきたいと考えていますので、会員の皆 さんの一層の研究と活動に期待したいと思います。
理事長 岡田 俊明 |