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002 

先日のテレビ、「真珠湾攻撃」で戦死した恋人の「跡」を訪ねるご老人を取り上げたドキュメンタリー番組を見た。

パールハーバーで日本軍に撃沈された戦艦アリゾナの上に立つ記念館。そこに納められた戦没者名入りの軍帽ケースを寄付した人がその女性だ。その女性を探し当て尋ねるところから始まる。

恋人は20歳を超えたばかりでゼロ戦に乗り真珠湾攻撃に参加した。ハワイオアフ島上空で高射砲の直撃を受け墜落死亡した。この男性の遺骨は帰ってくることはなかったが女性は「自分の夫はこの男」と心に決め戦後を必死で生きることになる。

テレビ局が訪問した時、彼女は「アメリカ人が憎い」と語った。

局の勧めで彼女はハワイに渡り、恋人の「跡」をたどることになる。
墜落した戦闘機の残骸がそのまま残る。その一機から機体番号が判明し、恋人の愛機だったことが判り彼女は涙する。

アリゾナ記念館にはたくさんの退役軍人が来ていて、彼女に話しかける。中にはあの日高射砲部隊の兵士だった人もおり、「あなたが彼を撃ったの?殺したの?」と問う。目から憎しみは消えていない。

やがて、記念館の展示物を見学して息をのむ。そこには日本軍の奇襲にやられた米軍兵士の無数の遺体の写真もあった。彼女の顔に変化が現れた。そして、日系三世の現地人がこれまでの研究をもとに恋人が撃墜された現地を探し出して彼女を案内した。

彼女はしばしの涙の後、何もない原生林何処かにあるままの遺骨に向かい現地人が用意した線香と花束を投げこう語りかけた。「○○さん、あなたは幸せ者です。皆さんからこんなにも良くしていただいて」「戦争は敵も味方も悲しむ。戦争はいけない。絶対いけない」と。

その眼から憎しみの色が消え、深い悲しみがのぞいた。

テレビ局の最後は「これでこの人の戦後は終わった」だった。
佳作だったがこの結論が喉仏に引っ掛かった。戦争の傷跡は何代にもわたって続く。戦争に終わりはない。だから始めてはいけないのだ。

                                                            2010.12 M・I




001 なかなか「あっぱれ!」が無いねぇ

参議院選挙が終わってほぼ1ケ月。テレビに向かって「喝!」を入れる日が続いている。
選挙中はもっと激しかった。各党の代表が出て行われる討論会。とりわけ旧政権に所属した政党が「あれをします、これをします」といけしゃあしゃあと言う。「そんなこと政権にいた時にやっていたらちっとはましな暮らしになってたよ!喝!」などと。

思えば日本の選挙ずっとこれが続いてきたような気がする。簡単なことで「嘘」に決まっているのに「人を見て決めます」「どっちにするか迷っている」などという。迷うはずだよ「嘘」同士を見比べたって。

この頃は財政赤字削減が話題の中心。ほとんどの政党もマスコミもこぞって「消費税増税やむなし」の打ち上げ花火競争。そのおぜん立ての経費削減。「アジェンダ」で議席を増やした政党の党首。目をむき口角泡を飛ばして叫ぶ。「公務員削減」「議員歳費削減」「国会議員定数大幅削減」と。「ほら、もっと手っ取り早いのがあるだろう!」「政党助成金はどうした!320億円だぞ!」

しかし、不思議なことになぜかキャスターも、列席の評論家も「政党助成金はどうします?」と聞かない。そんな制度はまるでないかのような静けさだ。どの新聞も、テレビ局も。マスコミ全体が統制をされているかのごとしだ。もちろん事業仕分けの対象にもしない。摩訶不思議な話だ。結局、政党助成金を受け取らないのは共産党1党だけ。助成金の恩恵を受ける党が「国会議員は率先して身を削って」と胸を張る。また嘘。「嘘をつけ!」とまた喝。

この頃は消費税率引き上げ議論でも「喝!」が飛ぶ。税率引き上げは、消費税をまとめて1年分払わされる中小業者にとっては死活問題。大手大企業が輸出免税で還付される消費税に、1日数千万円の還付加算金が利息として支払われることを誰一人として取り上げない。こともなげに「やむを得ない」という。
喝!喝!喝!

2010年8月  (M・I)

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