第58回公開講座
第58回公開講座 報告
4月18日(水)御茶ノ水全労連会館に95名結集
第58回「公開講座」は4月18日(水)午後一時から御茶ノ水全労連会館に95名の参加者を迎えて開催されました。
前回に引き続き今回も、会員以外の税理士がたくさん参加されました。
開会にあたり永沢理事長(写真左)があいさつ。冒頭、偽装、隠ぺい、改ざん、 セクハラ、パワハラ、人権無視を次々と繰り返す安倍政権に対し「政権統治能力 がありますか」と切りかかり、「一日も早い退陣を」と訴えました。
一方、平成30 年度税制改正に絡んでソフトバンクの租税回避行為に触れ、大企業、富裕層のこうした租税忌避の反面、生活費非課税の柱となる基礎控除の原則から外れた改正に疑問を投げかけました。
また、最近の税務調査で、納税者の権利が無視、軽視される傾向が強まっているので、現状をしっかり理解し、その対応策をとれるようにすることが大切だ、と結びました。
本年度の税制改正の主要点について
報告の一番手は岡田俊明会員(写真右)。
「所得税及び新税の改正の問題点と実務」と題し、税制改正での増税面では給与所得控除の引き下げ公的年金控除の引き下げ、減税面では基礎控除の引き上げについて解説しました。
また、今後の税制改正の方向につても解説。
更に新税の創設について@国際観光旅客税A森林環境税及び森林環境譲与税につても解説しました。
各種法定・任意提出資料の現状と対応
二番手の報告者、佐々木隆夫会員(写真左)は資料情報事務について、課税庁の組 織体制から始まり、その概要について説明。
また頻繁に課税庁から「協力」とい う名前を付けて提出を求められる各種資料せんへの対応などについて、更には税 務調査時において活用される各種資料せんの問題点などを詳細に解説しました。
膨大な数、種類の資料せんは、参加者にとって初耳のものもあり関心を集めました。
事業承継税制の改正と実務
締めの報告者は粕谷幸男会員(写真右)。
事業承継問題は近年急速に関心が高まり、各 種説明会や講座が頻繁に開催されており、今回の報告も注目を集めました。
粕谷会員は、中小企業庁はじめとした各種資料を豊富に補足資料として添付し、詳 細な説明を展開しました。
参加者からは「時間が足りない」「次回も課題に取り上げて」などの声が寄せられまし た。 第58回「公開講座」は充実した半日の講演を終えました。
参加者から多くの感想、ご意見をいただきました。
アンケートの集約結果(集約数7名)
@所得税
・簡素でない税制になってきているーよく分かりました。
・増税ばかりでどうなるか不安になる。
・今後改正が続くので(所得税)、自分も理解して業務していくこともだが、関与先に説明する点でさら に苦労する予感もしました。今回割愛になった法人税改正についての講義も期待します。
・所得税改正について大衆課税強化の方向性を強く感じましたが、税調への強力な納税者の抵抗が 必要ではないでしょうか。
・新しい改正について、所得税増税となることを頭に入れて、顧問先に対して質問を答えられるように 勉強となりました。
A事業承継税制
・分かりづらい税制
・複雑な税制で、学習するきっかけになった。
・税務上のメリットが格段にあるが、かなりハイリスクなので、税務だけにとどまらず、事業承継全体を把 握・熟知した上で、携わっていきたいと思いました。
・本当に難しい課題ですが、税理士にとって、業務に間違いないように、リスク管理を意識しております ように、とても勉強、参考になりました。事業承継は、長期間にわたって、スケジュールの管理につい て、気をつけることです。
B各種法定資料・任意提出資料
・佐々木先生のご経験を踏まえた講義は勉強になりました。法定外資料についての捉え方のほか、法 定調書(法定資料)の根拠条文も参考になりました。
・普段から提出すべきか、任意協力かよく分かっていない状態ですが、今日の講義で大変参考になり ました。
C次回以降のテーマについての希望、その他
・事業承継の延長、関連で民法改正の影響。
・よかったです。(時間不足)
・先生たちに感謝しております。本当にありがとうございました。
・税務調査の対応、国際税務、非居住者の源泉税、外国税額控除、国際取引に係る消費税等
・公開講座資料を頂き、参考資料として使えると便利です。
・税経新人会の会員は3000円でいいのかと思って申し込みをしたが、受付で5,000円を請求された。 大変紛らわしい申し込みであり、今後、その点は明確にして頂きたい。
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